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危うさに向かう時間

先月の展覧会に来られた方から感想を書いた手紙を頂きました。
その方が日頃思っておられることと、私の作品に共通項がいくつかあったようで、以下のように書かれてありました。

「人間と他の生物との相違点」
「人間に対しての疑問」
「生きることと死ぬこと」
「常識に対する反発」
「地球に対する危機感」

私の作品テーマを整理してもらったような感じです。その方が当日最も関心を持たれた作品が、石彫作品でした。いくつか紹介します。

福光石という柔らかい石(もろくて壊れ易い)あるいは砂岩を使いました。長さは20センチくらいで、厚さは1ミリ前後。手彫りでは無理で、歯医者さんが歯を削ったりする時に使う機械で彫ります。しかし、一歩間違えると壊れます。壊れるのを覚悟で作ります。実際何度も壊しました。
あ

以下同様です。大きさはほとんど10センチ以内くらいの小さなものです。
い

う

え

お

これは展示前に既に壊れており、棒と台座別々の展示でした。
き

直径が7センチくらいの大理石の球体で、イタリアのカラーラで彫り、輸送中に壊れました。
く

これは30センチくらいの高さの大理石です。まだ健在です。
こ

石彫を始めて一作目は普通のものでしたが、二作目以降のほとんどはできるだけ薄く、できるだけ細く削って行きました。これが今の私の世界観です。危ういのをわかって、あるいは壊れるのがわかって削りつづけるのは彫刻家としては矛盾していますが、これはもはや彫刻とは言えないでしょう。彫刻というよりは、危うさを感じる物体パフォーマンスでしょうか。

売るためでもなく、永久保存を望むでもなく、ただこの危うさを感じてほしいという願い。また我々が危ういこの世界の中にいることを、自ら作りつつ、再確認しているのでしょう。硬い石でできているのに、「壊れるかもしれない危機感を常に内包し、どこにあっても絶対の安心はできない代物」いまふと、思いました。「人間は何故壊れることを拒絶するのだろうか。」

こうして改めて見ると、同じ危うい作品でも壊れ易い作品と壊れにくい作品があります。例えばこの作品ですが、
か

完成した直後からすでに斜めの棒の部分に上部の立法体の重さがかかっており、時間とともに劣化が始まっていたのです。それを意識しなかったので、十分な梱包をして30キロ離れた会場に持って行き、箱から出して台の上に置いたその瞬間に、実に脆く(もろく)落下しびっくりしました。結構強そうだったのになあ、、、と思ったのですが、時間の経過(4年)にともなう劣化のことが全く頭にありませんでした。制作した場所にずっと置いたままであったとしても、いつか落下したでしょう。当たり前のことですが、自ら見落としていた点でした。そう思うと、実はすごく愛(いと)おしい作品だったと今思います。
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